さあさあ、ゆっくりしてください。

お寺では
不許葷酒入山門
(クンシュ山門ニ入ルヲ許サズ)
といいまして、葷はネギやニラ、ニンニクなどの精力がつ
く食べ物。それにお酒は妄想の原因になるから門の中には
入れてはいけないということが昔から言われていまして、
絶対に門の中には入れなかったそうです。

しかし

最初から門の中にあるものは戴いてもよいということらし
いので‥‥‥‥‥
要するに門の中に入れなければいいのであって、最初から
あるものはしようがない。

っとまあ、まあ、堅いこといわずに、飲んで下さい。
言っておきますが、私はあまり飲めませんよ。
皆さんが喜んでいただく姿をみるだけで、私は嬉しいので
あります。ハイ!。

昔、お酒のことをお寺の世界ではいろいろな呼び方をした
そうです。皆さん知っての通り般若湯といったりまたは、
薬水(やくすい)といったりしていました。

まあ、いろいろと直接には言えない言葉などは意味ありげ
に言うわけです。
他には、雪隠の火事というのはどういうことかわかります
か?
答えは雪隠はトイレのことだからトイレの火事=やけくそ
で〜す。

ところで、木魚はどうして木の魚なのでしょうかね。それ
は、魚にはまぶたがなく、いつも目を開けて眠らないよう
に見えるため、修行僧を戒めるために使ったものらしいで
す。それと、魚は苦労してやがて出世して龍になるという
言い伝えから木魚の彫刻は龍の形になっているものが多い
のです。

龍に成るといえば、「海千山千」という言葉がありますね。
ヘビは海に千年住み、山に千年住んで苦労に苦労を重ねる
と、やがて龍になるということで、世の中のことをよく知
っている苦労人のことを言うのですが、最近では油断のな
らない、腹黒い人をいうようになってきて龍も浮かばれな
いですね。

しかし、苦労話は聞いていて明るくなる人と、聞くほどに
気が滅入るのとがありますね。

昔、九州は博多のお寺の小僧さんが、和尚の留守をいいこ
とに内証で魚を焼いて食べたそうな。
翌日、いつも掃除の手伝いに来るおじいさんがいつものよ
うに庭掃除をしていたら、本堂の縁の下になにか変なもの
がある。おじいさんは、ほうきでそれをかき出してみると
なんと魚の骨がたくさん出てきた。おじいさんはびっくり
してその骨を和尚さんのところに持っていった。

「和尚さん、大変なことじゃ、本堂の下からこんなものが
出てきました。」

「ほう、何かいな」

「何かいなじゃありませんよ。魚の骨ですよ。きっと小僧
さんが食べたに違いない。けしからんことじゃ。」

「魚の骨か、それはけしからん。こらしめねばならん。魚
の骨は、わしらの小僧の時にはぜんぶ食べたものじゃ。」


転生人後(てんせいじんご) 

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道樹寺 江口 潭渕(たんえん) dojuzi@ktroad.ne.jp